ついに出ました「美文朗誦」1冊暗唱合格!

 「継続は力なり」と言い続けてきていますが、4年生女児が、ついに「美文朗誦」1冊を完璧に暗唱しました。「美文朗誦」には全78題材がおさめられていてますが、この子は、全ての題材において1題材を1発暗唱合格で唱えきってきた子です。お母さんも暗唱に協力してくださり、「美文朗誦」の冊子に、家庭で取り組んだ日付けと励ましのメッセージを日々綴ってくださっていました。

 最後暗唱は、寺田寅彦作「茶わんの湯」でした。全10ページを丁寧に30分かけて私の前で語りました。寺田寅彦さんの「茶わんの湯」という随筆には、湯の入った茶わんを見て、そこから立ちのぼる水蒸気や茶碗の中の熱対流のスケールを大きくすれば、そのまま大気の大循環や季節風になるという見方が示されています。つまり、「茶わんの湯」に自然界の不思議な現象がみえたというのです。こういうことが、本当に「見る」ということであり、「見える」ということであるという伏線を考えさせる随筆です。

  この子には、1回目のチャレンジの際、どうしても暗唱しているのに途中で詰まりました。そこで、私は「あなたは、間違えなく暗唱していると私は感じています。しかし、聞いていると「覚えること」だけに考えがいっているから、中々言葉として出てこない場面がある。そこで、今晩、ゆっくり『茶わんの湯』を作者はどんなことを読み手に伝えたいのか、考えながら読んできてごらん。必ず明日はできるよ。」と言って帰しました。

 そして、3月1日朝、見事に「茶わんの湯」10ページ、30分朗々と語り、合格しました。職員室の先生方も校長室で唱える彼女の姿を見ながら、聴きながら、合格した時には、感動をしてくださいました。               

 本校、初の「美文朗誦」1冊暗唱達成です。素晴らしい能力です。おめでとうございます。心より拍手を贈ります。